金正男独占告白

2017年2月13日、彼は暗殺された。
クアラルンプール国際空港、衆人環視の中、想定外の暗殺劇であった。
事情、内幕については、ジャーナリストと称する方々が勝手な事を仰っておられる。
世襲の独裁者の長男として生まれた世界でただ一人の運命を背負った男の人生を想う。
割と信用できる書物が存在する。
「父・金正一と私 金正男 独占告白」
「私は政治には興味がない」
独裁者の長男としては、あまりにも不自然である。
ディズニーの一件以来、彼の日本国内での知名度は高い。
妙な人気まである。
しかし、北朝鮮国内では彼の存在はほとんど知られていないという。
彼は独裁者の長男にして、隠し子なのである。
彼は繰り返し権力の世襲を否定した。
彼だけではない。
彼の父である独裁者本人も権力の世襲には否定的であたという。
しかし、権力は三男に引き継がれた。
金正男氏は、クラプトン好きで知られる次男とは海外で偶然遭遇した事があるという。
しかし、独裁者となった三男とは一度も会った事はないという。
独裁権力は三代に渡って世襲された。
「父にもそうせざるを得ない事情があったのでしょう」
独裁者の長男の言である。
父への尊敬と人となりが現れている。
独裁者の長男、その運命の数奇さは彼にしかわからない。

合掌